これは、家族の絆を見守り続けた小さな犬の物語です
はじまりはじまり
第一話
私がおうちに来る前は、中学3年生のこうくんが、格闘技にのめりこんでいて、ちょうど反抗期とも重なり、結構鼻息が荒かったそうで、お母さんは、困り果てていたそうです。
幼い頃のこうくんは、とても優しい子で、犬のぬいぐるみをかわいがっていたそうです。犬の名前はミーちゃん。「ミーちゃんの大冒険」という長編話まで作ってしまった。そして、少しでもこうくんの荒れた気持ちが和らぐのではと、子犬を飼うことになりました。
生後2か月の私がお家にやってきてました。生後2か月のふにゃふにゃした私をお母さんととこちゃんが嬉しそうに見ていました。一方、こうくんは、喜ぶどころか、背中を向けて私をわざと無視して警戒していました。
こうくんは、しばらくの間、私がこうくんの犬として合格かどうかテストしていたようで、ついに私がそのテストに合格したのか、仲の良い友達を家に呼んできて、皆で私のゲージを覗き込み、嬉しそうに私のことを友達に話していました。
そして、こうくんと私は大の仲良しになり、私はリンスとなずけられました。こうくんは、家の中でかくれんぼをして遊んでくれたり、おやつを分けてくれたり、こうくんと私は、いつもいつも一緒でした。
もちろん、毎日寝る時も一緒でした。
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